素直

~ 素直 ~ ふと昔の文集を見つけた

  先日、実家に帰った時、ふと昔の文集を見つけた。それは小学三年生の時のものだった。

   当時の担任は、毎週学級新聞を出していて、児童達の作文を何名かピックアップして載せていたのだ。
  子ども心に、今回、自分の文章は載ってるかなぁ?と毎回ワクワクしていたのを覚えている。
  たまたま自分の書いた作文があった。
テーマは「家族で一番好きな人」だった。
  私が家族で一番好きな人は、お父さんです。
  お父さんは、宿題や勉強を見てくれたり、おやつを買ってくれたり、時々こっそりお金をくれたり、優しいからです。
だから私はお父さんが一番好きです。
でも、一番好きじゃない時もあります。
   …と、ここで文章が終わっていた。
今思えば最後の一文はなくてもいいような気もするが、先生も当時の私の素直な感情として、あえて残していたのかもしれない。
 (当時、学級新聞は、毎回すべて手書きだったため、カットや手直しも時々あった。)
ほとんどの児童が、「家族で一番好きな人」を「お母さん」と書いており、「お父さん」と書いた私はかなり少数派だった。さらに、素直なのか素直じゃないのか余計な一文までついている。当時あまのじゃくで、照れ屋だった自分らしいなと思う。
  今となってはもういい大人。
しかし大人になっても性格はそう変わらない。
  たまには素直になって、親の驚く顔を見てみるのも悪くない。

 

大好きなお父さん